さや侍

これまでの二作に比べて、だんぜん良かった。
まさか、あの野見さんに泣かされるとは思ってもいなかった。
松っちゃんの映画に対する魂とか芯って結構わかりづらいので、
素材はできるだけ純粋な方が良い。その点、素人の野見さんは、
誰のつばもついてなくて、松っちゃん的にとっても純粋で鮮度抜群の素材。
というか、松っちゃんのつばがついている。
今回は松っちゃん的に撮りたいものを、撮りたいように演出・加工できて、
松っちゃんのイメージ再現度としては最も高いものになっていると思う。
松っちゃんは、松っちゃん的にツボな素材を松っちゃんなりに面白いと思う形に加工して、
映画を撮りたかったのであって、北野さんみたいに人にうまく伝えられないイメージを自分で表現してしまった方が結果的に良くなるタイプとは、根本的にスタンスが違うのだと思った。
いや、ほんとに良かった。