天然コケッコー（淡々とした風景や日常のたれ流しが面白い）

　山下敦弘監督にこういうの撮らせたら本当に期待を裏切らないです．登場人物（主に夏帆）の成長過程がスーっと浸み込み，見終わった後には，将来・今後を妄想させる楽しみ（主に夏帆の）を余韻として持たせてくれる．もはや，少女に限定しなくても良いとすら感じました（魅力あるキャラクターならね）．

　リンダ・リンダ・リンダで見せた，山下氏特有の，あの横から人物を追跡するカメラワークが好きです．本作では，田舎の美しい風景をバックに集団で海へ行くシーンが印象深いです．あれを見るだけで，もう癒される．更にあの一番年下の女の子と夏帆ちゃんとのカラミはいい味出してました．個人的に面倒見の良い子が好きなもので・・

　今回に関しては脚本の渡辺あやとの相性が良く，大成功だと思う．原作は未見なので推測ですが，おそらくもっと恋愛が中心なのではないかと考えています．約2年間の日常生活において，恋愛をはさみつつ，修学旅行，進路決定を見せることで，バランスンス良く少女の成長を映像化できたことがなによりもすばらしかった．山下監督の良さを把握してのことでしょう．今後も，この二人の作品が企画・製作されることを本当に期待します．あと，レイ・ハラカミの楽曲が3割り増しに聴こえました．三者の化学反応恐るべし．